お茶の時間
葉月の喫茶のお菓子「露涼し」
朝霧に包まれた白蓮の風情をお菓子に
夏の水辺に色を添える蓮の花。
水面に咲く姿は涼しげで、神秘的な雰囲気も魅力のひとつ。
徳島県は、有数な蓮の産地。
朝霧に包まれた白蓮の風情をお菓子に
ふうわりと、葛焼きの優しい余韻。
本席(奥の八畳の茶室))のしつらい
葉月は、兎に角 涼しきように。
万古焼のブルーを中心に、涼感を重ねてまいります。
軸は、閑院宮美仁親王の筆。
「澄みそめし その水上にたちかへる 世々の流れの末の白波」
今いちど 源流原点に立ち返り、襟元を直し前に進もうぞと説いたもの。
ああ今日もどうせ暑いから、と適当な装いになっていませんかということでしょうか。ドキ。
近左造の住之江棗で格をあわせましたら
香合に映る伸びやかな影に、いくばくか秋の気配。
八月の立礼席のしつらい
「立礼席(りゅうれいせき)」とは、椅子とテーブルの茶室。茜庵本店で喫茶をご利用のお客様には、こちらのスペースでお菓子をお楽しみいただきます。
阿波っ子には馴染みの深い「竹ちくわ」ほどのサイズの小ぶりなお軸。
さらりとした 椅子と団扇の絵に、一句。
酒の席で話がはずんでのことなのでしょう。
すいすいと走る筆、陽の風情。
「夕涼みよくぞ男に生まれける」
-こちらは四条派の画家、五井金水と岡島友仙の合作。
夕涼みを詠んだ宝井其角の句は 軽妙でわかりやすく、いかにも江戸風。
夏の夕暮れ、風呂上り。だらしなくはだけさせた浴衣の胸元に 団扇をあおぎながら、奥の目を盗んで お酒をチビリ。
「はー男って最高ー」 なんてリラックスしている江戸っ子の声が 聞こえてくるような。
ギヤマンと朝顔の茶碗に、秋草の棗で季節を重ねて参ります。
・・・・
しつらいとは、和のコーディネート遊びのようなもの。
リラックスしてお菓子を召し上がっていただけるだけで何よりですが、しつらいの遊び心まで覗き見ていただくと、ちょっとお楽しみが増えるかもしれません。
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