あかねごよみ

むりせず自分らしい
「和のある暮らし」をさがす旅。

古今和歌集

「恋のうた」〜古今和歌集から

恋のうたをモチーフに、職人たちが彩る世界

二月のお楽しみ。
「恋のうた」〜平安時代の四つの恋を、職人たちが 四種の和菓子で巡ります。

「古今和歌集」は平安時代中期に編纂され、905年に完成した和歌集。
当時の宮廷文化を代表するものであり、勅撰和歌集としては初めて「古今」(古典の和歌と当時の新しい和歌)の範囲を網羅した歌集でもあります。百人一首にも多く選出されており、歴史的・文化的な価値や和歌の美しさ、歌人たちの多様性や言葉の美しさなど、古びれず新鮮な魅力を放ち続ける和歌集です。

茜庵の職人たちが選んだ4つの和歌〜 女性像をモチーフに、菓子をつくります。

【第一首】恋枕

我が恋を
人知るらめやしきたへの
枕のみこそ
知らば知るらめ
(読み人知らず)
「私の秘めた恋心を、誰が知ることでしょう。もし知っているとするならば、それはただ 夜毎に想う私の枕だけ。」
若手の女性職人が、瑞々しい感性で仕立てた 恋のきんとん
チョコレートにゆずの香りを忍ばせて。

【第二首】宵の袖

古今和歌集

夢にても
見ゆらむものを
嘆きつつ
うちぬる宵の
袖のけしきは
(式子内親王)
「あなたの夢にはでてきたはずです 愛しいあなたを待ち焦がれて、ただ泣きぬれる私の姿が」

式子内親王は非常に才能豊かな女性で、和歌や漢詩をはじめとする文学や、絵画、音楽など多岐に渡る分野で活躍しました。後の「百人一首」に”女性皇族”として唯一選ばれたのも、彼女でした。

心に秘めた激しい恋のうたを、こなし製のたおやかな色合いで、繊細な造形に仕立てました。瑞々しい林檎の酸味を添えて。

【第三首】君が心

古今和歌集
風吹けば
峰にわかるる
白雲の
絶えてつれなき
君が心か
(壬生忠岑)
風が吹き、すっと峰から離れていく白い雲。それはまるで、離れてしまった貴女の心をみているようだ。

今回の四首のうち、実はこちらは唯一の男性目線の和歌。
つくり手も男性の職人です。
何度も試作を重ね、食用の藍と 旬の筍を忍ばせた ちょっと大人な風味の一品です。

【第四首】夜の衣


いとせめて
恋しき時は
むばたまの
夜の衣を
かへしてぞ着る 
(小野小町)
あなたへの恋しさが、ひたすらに募る夜。夜着を裏返して寝て、夢で会えたらと願います。

最後を飾るのは、日本を代表する女流歌人、小野小町の和歌。
令和の女性職人の たおやかな感性で仕立てます。
しとやかな衣をおもわせる すべらかな外郎製 紅茶あんに丹波黒豆の余韻を添えて

日本の歴史や文化によって育まれた、和菓子の世界

和菓子の歴史は古く、平安時代から現代に至るまで長い年月をかけて発展してきました。
宮廷文化が栄えた平安時代、和菓子は宮廷の行事や儀式に欠かせない存在となり
貴族たちが詩歌や音楽を楽しむ「宴」の際には 欠かさず供されるようになったとされています。

職人たちが試行錯誤しながら手がけた4つの物語。
早春の恋の季頃、お楽しみいただければ幸いです。

  • ラインでほっと一息しませんか。

  • 大切な方へのギフト、どれにしようか迷ったら.....。

菓游 茜庵のこと

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