あかねごよみ

むりせず自分らしい
「和のある暮らし」をさがす旅。

遊山箱 

遊山箱

遊山箱の思い出

古くは江戸時代のこと、阿波の國では健やかなる我が子の成長を願う「遊山箱」(ゆさんばこ)の文化がありました。
遊山箱
「遊山箱」は、子どもたちが野山へ行楽に行く時に”弁当箱”として使った三段重ねの重箱のこと。
旧暦三月四日は、徳島の子どもたちにとって、とても待ち遠しい日ー
この日が来ると、子どもたちは巻き寿司、煮しめ、ういろ、寒天など、ご馳走が詰まった遊山箱を持って野山に遊びに出かけていたのだそう。

この風習の元となるのは、旧暦の桃の節句に行われていた、田の神様を迎える行事だといわれています。
遊山箱を持って子どもたちが野山を駆け回ることで、田の神様も一緒に里に降りてくるとされ、田植え前の大切な習わしとして、長く受け継がれてきたそうです。

遊山箱

文化を伝える

茜庵が「遊山箱」の存在を知ったのは、もう二十年近く前のこと。
今でこそ 少しずつその存在が知られるようになりましたが、
当時は時代に埋もれてしまった 古い慣習のひとつでした。

「ふるさとに伝わる 地元徳島の優しい文化を、現代にも守り伝えていきたい」
旧家を訪ねてお話をきいたり、図書館で古い文献にあたったりと
江戸時代の風習を ひとつひとつ紐解きながら、茜庵の遊山箱の輪郭を形づくっていくには
二年の年月がかかりました。

アワガミ
茜庵の遊山箱には「阿波和紙」を使用しています。
阿波和紙の歴史は古く、約1300年前に朝廷祭祀を担当していた阿波忌部氏により始まったといわれ、明治の最盛期には吉野川流域に500軒ほどの紙漉戸数があったそう。
歴史ある「いんべ」という名のついた阿波和紙をグラデーションで手貼りし、ひとつひとつ箱に仕立てていきます。

遊山箱

モダンだけれど、すっと日常に溶け込む心地よさは、無駄のないシックなデザインと、日本の伝統色を取り入れた色合わせだから。
庵主とデザイナー、和紙職人そして貼り箱の職人たちの想いがつまった一箱です。
遊山箱

子供たちへ

遊山箱を持って歩くと、必ずと言っていいほど 道行く年配の方々が目をほそめて「遊山箱、懐かしいなぁ」と声をかけてくれます。
暖かな想い出とともに、優しい気持ちにしてくれる、地元とくしまの宝物ー
小さな菓子屋ではありますが、私たちの手で、すこしずつ 次の世代へ繋いでいくことができたら、嬉しく思います。

遊山箱

記事で紹介した商品

  • ラインでほっと一息しませんか。

  • 大切な方へのギフト、どれにしようか迷ったら.....。

菓游 茜庵のこと

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