あかねごよみ

むりせず自分らしい
「和のある暮らし」をさがす旅。

着せ綿 福岡晃子

あっことあんこの 着せ綿づくり

9月9日は「重陽の節句」

自宅でつくる季節の和菓子「あっことあんこ」
今回は秋の”節句”にまつわるお菓子が登場です。

松村:

ところで、あっこさん。9月9日といえば…?

あっこ:

いえば!!
うーん…何でしょう、師匠。

松村:

「重陽の節句」です。

あっこ:

チョウヨウ??
初耳です、師匠。

松村:

桃の節句と、端午の節句の日を思い浮かべてみてください。

あっこ:

3月3日と5月5日…
3と5…

松村:

そうです、”奇数が重なる日”が「節句」なんですね。
陰陽思想では、奇数は陽の数、偶数は隠の数とされます。
陽数の最大の数ある9が重なる日。
なので、重なる陽と書いて、重陽の節句。

あっこ:

あー!なるほど。

着せ綿 重陽の節句

松村:

3月の節句が「桃の節句」と言われるように、9月の節句は「菊の節句」という愛称がついています。
今日はその菊になぞらえたお菓子を作りましょう。
「着せ綿」というお菓子です。

あっこ:

わたを・・着せますか?

松村:

そうです。菊に綿を着せます。
平安時代には、前日8日の夜に真綿で菊をおおい、翌朝これを顔にあてて、その露と香りで美しさと健康を祈ったそうですよ。

あっこ:

美と健康!やっぱり美と健康!

松村:

そうです、美と健康(笑)変わらぬ願いですね。

いつの世も 女子の願いは美と健康
少々前置きが長くなりましたが、「着せ綿」のレシピはこちらです。

【あっことあんこの 着せ綿】
着せ綿
材料
・白あん:500g
・小麦粉:25g
・上用粉:25g
・上白糖:60g
・着色料:ピンク(菊の色味であれば、お好みのもので大丈夫です)
*三角ベラ
*つまようじ
*漉しざる

まずは、生地をつくるところから

松村:

今回つくる生地は、「こなし」です。
まずは粉類と白あんをまぜる。

着せ綿 こなし

あっこ:

「こなし」….これもあんこですよね。

松村:

そうですね、あんこの一種です。
白あんに粉類を加えて蒸しあげ、十分に揉み込んだものですね。
ほどよい粘りがあるのでいろいろと細工がしやすい生地で、今回の着せ綿にはぴったりです。
粉類が見えなくなるまでしっかりと混ぜます。

こなし 着せ綿

あっこ:

なんで「こなし」っていうんですか?

松村:

こなしの名前の由来は、生地をもみこなして使うことからこの名前がついたと言われます。
京都からひろまった製法ですね。

あっこ:

なるほど。

松村:

蒸し器にこの生地をちぎり入れて、強火で30分ほど蒸しましょう。

着せ綿
蒸しあがった生地は、布巾のうえで合体させて、よくもみこみます。
着せ綿

生地がさめないうちに、色つけの工程にうつりましょう。

生地に、色をつけよう

あっこ:

どれくらいの色にしますか?

松村:

そうですね、まずは生地の一部にしっかりと色をつけて。

あっこ:

こんな感じですか。
着せ綿 こなし

松村:

そうです。
そしてそこから白の生地とあわせていけば、失敗せずに、好みの色あいにできますよ。
こしあんをくるんと包んで、土台の完成です。

着せ綿
軽く粉をつけて、扱いやすくしておきましょう。

菊の模様をつけていく

三角ベラ、三角棒

あっこ:

和菓子職人みたいな道具が出てきた!

松村:

そうですね、三角ベラ、三角棒とよばれています。
まずは頭頂部にあたるところにチョン、とつまようじのようなもので印をつけておいてください。

着せ綿

松村:

下から頭頂部に向かって、筋をいれていきます。
着せ綿

あっこ:

わ、難しい 笑

…最初はこわごわのあっこちゃん。

着せ綿
2回目からは、大胆に筋が入ってきました。

松村:

そうそう、グッと、ひと思いに(笑)この繰り返しで、菊の花びらをかたどっていきます。

着せ綿
最初こそ手こずっていた あっこちゃん、2〜3個目からは、すいすいと手がすすみます。
着せ綿
菊の花びら、完成です。

綿をのせたら、できあがり

松村:

綿は2種類の乗せかたがあります。かたまりで乗せてもいいし、漉した生地を、そぼろのようにのせてやってもいい。お好みですね。

あっこ:

師匠すいすいやってますけど、このそぼろ難しいなあ(笑)高さがそろわない。

不揃いな姿もまた、手作りの魅力ですよね。

着せ綿

さあ恒例の、あっことあんこのティータイム

松村:

今回は、ちょっと趣をかえて、茶席で食べてみましょうか。

あっこ:

なんか緊張する・・座り方、あってますか?

松村:

大丈夫ですよ。お菓子を食べてから、抹茶を飲みます。

健康で楽しい秋になりますように!

今回もペロリと食べて、お疲れ様でした、あっこちゃん。

抹茶の飲み方〜お菓子の食べ方、お茶碗の回し方〜についてはこちらも記事も、ぜひ。
https://www.akanean-shop.com/akanegoyomi/ochya-jikan/how_to_maccha/

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